戦争研究その1 戦争は人々の欲で起きる

 

緒言

 本研究の目的は「戦争は欲で起きる」を立証することである。本研究以前に「戦争は欲で起きる」と言ったのは黒澤明である。映画「影武者」(あるいは「・・砦の・・」であったか)の紹介記事で知った。世界では黒澤明の前にそう言った人はいるであろうが、今はわからない。あまたの戦争被害記事や評論は現れるが、戦争を起こしたのは、欲を出したのは書いたその人、あるいは、親戚・知人であり、その人につらなっているという記事をトンと見ない。Google ChromeMS EdgeなどのAI検索ソフトに「戦争が起きる原因は何か」と尋ねると、「戦争の原因は一つではない」と出る。これは曖昧である。それゆえ、「私の欲と人々の欲が戦争を引き起こした」と言わずに「戦争を起こしてはいけない」と他人事で終わらせる。本研究は人による戦争の原因は人々の欲から生まれると主張する。すなわち、「欲は人間につきものであり除けないから戦争は起き続ける」と主張する。研究であるから事実に基づく。

中央構造線愛好家 加藤 覚

茅野市豊平にて、20268

 

目的

 本研究の目的は「戦争の原因はただ一つ、人々の欲・国民の欲・人民の欲・生物の欲、である」という原理を立証することである。

 

方法

 以下の7つの戦争事例は欲が原因で起こったことを立証する。その中には、15394件の戦争事例記事(MS Edge 15200件、Google Chrome 194件、2026815日に検索のため送受信)に基づいて推論したAI検索ソフトの推論結果も含まれる。

 事例1 蛇とカエルの弱肉強食生物則に基づく戦い

 事例2 互いに殺傷能力を持つクマと人との戦い

 事例3 アジアで起きた直近の大戦争、太平洋戦争

 事例4 欧州で起きた直近の戦争、ウクライナとロシアの戦争

 事例5 中東で起きた直近の戦争、アメリカとイランの戦い

 事例6 昔、日本で起きた大戦争、関ケ原の戦い

事例7 AI検索ソフトが挙げた15394件の戦争事例記事に基づく推論結果 (Google Chromeが挙げたのは領土、資源、民族や宗教の対立、政治的な野心、および、MS Edgeが挙げたのは領土、資源、政治的権力、宗教・民族の対立、人間の感情や欲望)

 

結果

事例1 蛇とカエルの弱肉強食生物則に基づく戦い

 蛇とカエルの戦いは弱肉強食生物則に支配される。蛇が空腹で生存欲に駆られれば結果は明白である。カエルが蛇の何倍も大きくて空腹であれば、やはり生存欲に従って蛇は飲み込まれて絶命する。何れの戦いも欲(生存欲)が支配している。

事例2 互いに殺傷能力を持つクマと人との戦い

 クマと人間の戦いも欲に支配されて起こる。クマは人が担いでいるリュクサックの中の食べ物が欲しいのである。食欲を満たすために人を襲う。たまたま肉の味を覚えたクマは人肉や家畜の肉で食欲を満たす。また、クマの生活圏に人が入り込むと生存欲を満たすために人を襲う。人は食肉害獣を駆逐して生活区域の安全を得るために、生活安全欲のために、クマを駆逐する。人もクマも欲によって戦うのである。

事例3 アジアで起きた直近の大戦争、太平洋戦争

 江戸時代の身分制度(士農工商)の武力支配階級にいた武士が明治以降も支配権力を維持し、その結果、日露戦争に至った。日露戦争の結果「敗戦かつ軍解体」などとはならなかったので、日清戦争と満州事変へと武力は続いた。さらには、アメリカと敵対し開戦となった。それぞれの戦いにおいて、戦いに反対する人々と賛成する人々の両方がいたが、戦いは続いたのであるから、賛成する人々の熱量が勝ったことになる。人々の熱量は人々の欲によって支えられた。賛成派の人々の欲は、生き残りたいという生存欲、暮らしを楽にしたいという経済欲、勝って満足を得たいという名誉欲などである。人々にこれらの欲がなければ戦争にはいたらなかった。戦争に反対する人々の熱量だけが存在するなら軍は存在できないからである。太平洋戦争は人々の欲が起こした戦争の一例である。対したアメリカも武装集団()を持っていたので人々には欲があった。

事例4 欧州で起きた直近の戦争、ウクライナとロシアの戦争

 現在、ウクライナ軍とロシア軍が争っているので、これは国家間の戦争である。従って、開戦に対する人々の欲は多様・多彩である。「力まかせの戦争(NHK、総合、2026/8/16/14:45ころ)」、「体制転換戦争(朝日、2026/8/16、朝刊4)」など、政治的欲望を満たそうとするロシアの人々の欲もあった。互いに領土の取り合いをした過去もあるので、ウクライナの人々とロシアの人々の双方に領土欲もあった。事例3に挙げた生存欲、経済欲、名誉欲も双方にあった。これらの欲が混ざり合って開戦に至った。これらの欲がなければ軍は存在しないので開戦にはいたらなかった。従って、ウクライナとロシアの戦争も人々の欲で起きたのである。

事例5 中東で起きた直近の戦争、アメリカとイランの戦い

 アメリカとイランの戦いは現代における神権戦争である。神権は神をひけらかして相手を武力威圧する。武力制圧した後に専制者を生み、専制者は「我の後ろを見よ。神が見えるであろう。神が恐ろしければ我に従え」と言って武力支配を続ける。革新的武器を手に入れた場合には「やりたいほうだい」となり、昔は奴隷社会が生まれた。青銅製武器を革新武器として用いた殷の首なし人骨の大量出土が良い例である。アメリカとイランの戦いは現代の神権戦争であり、この戦争もやはり人々の欲で開戦にいたった。イランは武力で国内を制圧した後に神権支配を続けていた。専制者はいた。革新的武器(ホルムズ海峡支配・封鎖)はまだなかったが、軍を持っていたので野心(制圧欲)はあった。人口比とは無関係に支配側の熱量は勝っていたのである。一方、アメリカは国民の過半の人々が選挙で選んだ専制者に導かれた神権体制であった。専制者は独裁者(次の選挙までの独裁者)とも言う。開戦時には、革新的ではないが、他を圧倒する武力もあった。アメリカとイランは軍を持っていたので互いに他を制圧する欲があった。それのみならず、資源欲も経済欲も名誉欲もあって開戦となった。現代の神権戦争であっても、人々の欲が戦争を起こしたのである。

事例6 昔、日本で起きた大戦争、関ケ原の戦い

 事例3の太平洋戦争では徴兵によって軍は支えられた。日本の戦国時代の戦は自発意志によって戦に参加した傭兵によって支えられた。信長以来、常備軍が生まれた。常備軍は大名の経済力(信長の場合は港における交易に課した税金)によって養われた。常備軍もいたが戦う兵は傭兵である。農業と商業が産業の中心であるから、食えなくなった男たちは一獲千金の夢()をもって戦場に出向いた。単に食料(食欲)を求めて戦場に出向いた兵も多かった。太平洋戦争の時と同じく、兵を送り出す側には「暮らしを良くしたい」という経済欲があった。関ケ原の戦で違うのは、兵自信の欲が生み出す熱量が大きかったことである。この戦のもう一つの特徴は「天下分け目の戦」ということであり、勝てば相手側の大きな領地が得られるという領土欲が強かったことである。すなわち、関ケ原の戦いも人々の欲によって起きたのである。

事例7 AI検索ソフトが挙げた15394件の戦争事例記事に基づく推論結果

 AI検索ソフトが推論によって挙げた以下の戦争原因はすべて人々の欲に基づいている。

イ)       何れのAI検索ソフトも領土を原因として挙げている。すなわち、人々の領土獲得欲である。領土獲得欲は経済欲の一部である。

ロ)       何れも資源を原因として挙げている。すなわち、人々の資源獲得欲である。資源獲得欲は「良い暮らしをしたい」という経済欲の一部である。

ハ)       何れも民族や宗教の対立を原因として挙げている。すなわち、人々の独自存立欲である。

ニ)       何れも政治的な野心を原因として挙げている。すわわち、人々の政治的欲望である。

ホ)       さらに、MS Edgeは人間の感情や欲望を原因としてあげている。すなわち、人々の欲そのものである。

 現在のAI検索ソフトの推論は不十分である。イ-)には生存欲が含まれていないからである。事例1と事例2に示すごとく、生存欲は生物の基本欲であるにもかかわらず、2026815日時点のAI検索ソフトの検索結果には含まれていない。さらに、イ-)には名誉欲が含まれていない。従って、現在のAI検索ソフトの推論アルゴリズムは満足できるものではない。

 

結論

 AI検索ソフトが挙げた15394件の戦争事例記事に基づく戦争原因に加えて、本研究が設定した4件の過去に起きた戦争の原因、および、2件の動物に係る争いの原因はすべて欲に基づくことが示された。よって、原理「戦争の原因はただ一つ、人々の欲・国民の欲・人民の欲・生物の欲、である」は立証された。